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「100万回生きたねこ」で有名な、佐野洋子さんの絵本です。
空とぶライオン (佐野洋子の絵本) [ 佐野洋子 ]
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ライオン好きなうちのちび2歳は、一応大人しく最後まで聞いていましたが。
よく分かってなさそうだった。
なのに、「この本、ちょっと難しいわぁ」とか言いつつ、何度も持ってくるのはなぜだ(笑)
子どもの理解力とか感性って見くびってはいけないなぁ、と思わされます。
何度目かの読後に「ライオンさん、かわいそうやなぁ」と呟いた娘にびっくり。
疲れ果てて眠るライオン。「つかれた」と言って泣くライオン。
周りで無神経に笑うねこたち。
絵の色使いとか、ライオンと猫の表情から、幼いなりに何かを読み取ったのでしょうか。
偉そうに語ってる自分も、この物語の本質をいまいち理解しきれてないんですが。
強くて勇ましいライオン。
でも、本当は心優しくて昼寝が大好きな、大人しいライオン。
他人の為に自分を犠牲にしてしまうライオン。
力尽きて倒れるまで本当の事を伝えられないライオン。
力尽きてなお期待に応えようと頑張るライオン。
ライオンにあこがれるねこ。
ライオンが理想の存在だと信じて疑わないねこ。
ライオンが冷たい石になって初めて真実に気付いたねこ。
佐野さんの描かれたエッセイを読んだことがあるのですけど、頑張って仕事するとお金持ちになっちゃうからそこそこでいい、とか、ファンのおかげで生活が出来る、とか、生きていくのは大変だ、みたいな事が書かれてるんですよね。
佐野さんの絵本は、これと「100万回生きたねこ」と「おぼえていろよ、おおきな木」を読んだことがあります。
どれも、“生きる”って事がテーマになっているのかな、と思います。
戦争を経験して、兄弟を亡くされる経験もされて、きっと他にも辛い事を乗り越えた人生を経て、絵本を通して伝えたかった何か。
周囲の声に振り回されずに自分自身の人生を歩むという事。
幸せを掴むことの難しさ。
誰かを思いやる大切さ。
自分にとっての幸せってなんだろう。
自分自身をちゃんと大事に出来てるだろうか。
目の前の幸せを大切に出来てるだろうか。
知らぬ間に誰かを傷つけていないだろうか。
自分の心に正直に生きているだろうか。
この本を読むたび、心のままに生きるって事について考えさせられています。
これは図書館で借りたのですが、自分の為に本棚に置いておいてもいいかも…と思った作品でした。
この本に関してはあえて、ストーリーは書かずに感想のみにしておきます。
ちなみに余談ですが、佐野さんのエッセイはめっちゃ面白いです。
かなり独特の文体で豪快に書かれていて、読みやすくてすいすい読了出来ますよ。
絵本しか読んだことのない方は、一度読んでみられる事をお薦めします。
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